はじめての修二会

火事や火事や〜!!・・・ちがいますよお笑
関西では昔から、3月に入り春のようにおだやかで暖かい日があっても
「奈良のお水取りが終わるまでは」というのが合言葉になっています。
お水取りが終わるまではまだ寒い日もあるから油断するでないということ。
(体感としては「暑さ寒さも彼岸まで」が実際に近いけど^^;)
奈良のお水取り=東大寺二月堂の「修二会(しゅにえ)」という伝統行事のこと。
今年はこれにちなんだお菓子もご紹介しましたね〜→★
ともあれ、毎年定型文として必ず使うことばでありながら
実はusainu、行ったことがなかったのです。


「で?また不要不急やのにフラフラ行ったんかい!」(不機嫌お尻尾ブンブン)
はい・・・すみません。
毎年、おそろしい人出と聞いて尻込みしていたのが、今回のコロナ禍で
ガラガラとの噂を聞きつけてしまいまして^^;自己責任で。
しかも前々回のコメ欄で「お水取り行っちゃおかな〜」とつぶやいたところ
ハッブルさんが速攻反応、「ご一緒します!?」と誘ってくださったのです。
ご近所のお水取りマスターNさまにナビいただけるという特典付き!!
この機会、逃してなるものか!一路、奈良へ!

お尻つながりで鹿〜鹿せんべいをくれる観光客がいないので
鹿がヨレヨレと街中にさまよい出ています。うう・・・あわれ・・・

普段は大行列で入れなかった釜飯屋さんもガラガラ。しっかり腹ごしらえ。

東大寺二月堂に向かいました。(夜道もあってわかりにくく、ご一緒してもらえてよかった!)
到着後、すぐに始まりました。
お水取りのアイキャッチともなっているお松明行事。
本当は動画でご紹介したいところですがまあ、ご覧ください。

左端に火の玉のような松明。一本ずつ登廊を上がってきて

舞台を駆け抜けてきます。

高々と掲げられ火の粉をふりまき

この火の粉を浴びると無病息災でいられるとか。
とても近づけませんでしたが、一度は真下に行ってみたいかな?
(さすがに今年でさえ場所取りが必要で、ギリギリでは無理でした)
よくメディアで紹介されているのはも〜っとおおきな
「籠松明」が登場する日で、実は「お水取り」という行事も同じ日、
3月12日におこなわれるそうです。日々、少しずつ違うんだな。
というわけで、混乱のなきようちょっと覚書。
「修二会」、正式名は「十一面悔過」。
3月1日から14日までの2週間、東大寺二月堂の御本尊、十一面観音様に
日頃から犯している罪を懺悔して許しを乞い、災いのない世界の実現と
五穀豊穣や国家安泰を祈る法会です。
行を務めるのは選ばれし僧侶、11名の「練行衆(れんぎょうしゅう)」(かっこいい)
お松明はあくまでその一環で、練行衆の足元を照らすために行うものです。
その後も深夜に至るまで、二月堂内でさまざまな法要が行われ
私たちも東西南北に設けられた「局」という席で聴聞することができます。
ここで拙い図解(笑)

私たちはNさんに導かれるまま「東局」に入らせていただきました。
畳敷きの細長く狭い空間。あかりはほぼ内陣から漏れるろうそくのみ。

こんな感じで(なにせ撮影禁止なもんでね)本当はもうすこし人が多かった。
来場者は格子越しに行を覗き見ることができます。あんまり見えないけど。
日によって内容は違うのですが
朗々とした読経の声、堂内を走る足音や法螺や錫杖など、さまざまな音が響き渡ります。
あたたかい日でしたが、1時間もいると身体がしんしんと冷えていくのがわかった。
それでもひとつひとつが興味深く、ちらちらとしか見えないところにも
イマジネーションがかきたてられ・・・なんとも不思議な時間でした。
ハッブルさんとNさんから伺った「青衣の女人(しょうえのにょにん)」という
幽霊話もおもしろかった!→ここでも少しふれています
そんなんでスピリチュアルなムードにほーっとなっていて
はっ!と気がついたら、すぐ出ないとusainuの乗る電車に間に合わない時間!
あたふたしつつ

二月堂の写真を撮ったり

はらぺこ鹿に別れを告げたりしながら
いよいよ時間がなくなり、
最後はハッブルさん、Nさんに別れを告げてひたすらダッシュで
近鉄奈良駅に駆け込んだ、なんとも情緒のないusainuでありました。
おふたりには心より感謝です。一人じゃ絶対ここまで見られなかった!
情緒ないついでに、電車に乗り込みほっとしてマスクを取ると

ひゃ〜!黒い!それだけ煤を吸い込むのですな。
それにしても、静かで、厳かで、何もかも新鮮な体験でした。
今年は人が少なかったから余計に?
すっかり感銘を受けて、思わず参考図書をポチってしまった。
ちなみにこの修二会は、752年以来、途切れることなく行われているそうです。
やっぱり奈良はすごいですね。で、明日も奈良に行く〜^^
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