殺処分ゼロの裏側で

本日は久々にまじめな投稿です。
ちょっとセンシティブな内容を含みますので、心してお読みください。
私のまわりには、行き場をなくした動物たちの命をつなぐために
奔走される素晴らしい人々がたくさんいます。
私はなかなか物理的にお手伝いもできず、歯がゆい思いをしつつ
できるだけ意識を向けたり勉強したりしている最中です。
この6月、そんな人々を震撼させる「事件」が起きました。
というか、「事実」が明らかになったというか。
保護犬や保護猫、特に病気や老齢で里親さんを見つけるのが難しい子たちの
「預かりさん」として、約20年間活動していた女性の家から
おびただしい犬猫の死骸が発見されたのです・・・しかも場所は京都。
直接やりとししていた友人もいましたが、そんなことみじんも感じられない
「普通の気のいいおばさん」に見えたそうです。
記事のひとつ→★
なかには引き取ったそのまま、車から降ろされることなく
キャリーの中で亡くなっていた子もいたそうで・・・
地獄、としか言いようがありません。
関わった愛護団体には、彼女に動物愛護法に基づく処罰を!と動いている人もいますが
現状では証拠の立証に警察が動いてくれず、略式起訴になりそうです。
確かにその怒りもわかるのですが、、、このお方
「かわいそうな動物を引き取る素晴らしいアタシ」に酔う
代理ミュンヒハウゼン症候群的な精神状態がエスカレートしていったケースに思えます。
そのあたりの精神的なケアというか更生がまず必要ではないかという気がして。
まともじゃないですもんね。
いずれにせよ、動物たちの命は戻らない。やるせない話です。

「殺処分ゼロ」を掲げるがゆえに民間の保護団体や個人の負担が増大し
崩壊していくという問題も、目につくようになりました。
さらに!この間もお話したsippoの講座で、「流通死」というワードも知りました。
繁殖業者や販売業者のもとで、老衰以外で命を落とす犬猫が全体の3%、
実は保健所や動物愛護センターで殺処分される頭数よりも多いというのです。
その記事→★
どうしてこんなことになるのか。
劣悪な環境のなかで繁殖を繰り返し、市場に流されていく動物たち。
そこに命を命として扱う、動物福祉の視点は、まったくありません。
この状況をなんとかしようと、何年も動いている動物愛護の人たちもいます。
動物愛護法改定のタイミングで、少しでも動物たちを守る法的規制を盛り込もうと
提言もされています。あ〜、そのパブリックコメントをみんなも出そう!と
こちらでも呼びかけたのは、2011年のことでした。
あのころ、必死で働きかけてくださった「子犬子猫は社会化できる8週齢まで親元に」という
法律が、ようやく!来年の6月から施行されるそうです。10年かかったんか。
しかし、上記の数字を見てもわかるように、販売動物たちの飼育環境が改善されているわけでは
ないのです。そこでこの3月には、動物愛護の超党派議連が
「数値規制」の基準案を提出しました。まーいろいろあって書ききれませんが、
そこには従業員一人あたりの上限飼育数を規定する項目もあります。
逆にいえば、これまでその規制がなかったために、世話が行き届かず
死に至らしめる要因のひとつになったともいえるでしょう。
ましてや!8週齢規制が施行されると、繁殖業者のもとに手のかかる時期の犬猫が
従来より1週間長くいることになります。同じ従業員数でケアができるわけがありません。
つまり8週齢規制と、従業員一人あたりの上限飼育数はセットでないといけないのです。
ていうか、セットにしろ。
とまあ、以上は一例なのですが、こういった細部にわたる環境庁の検討会が
7月初旬に行われます。(コロナで遅れている)
数値規制の概要が賢くまとめてある記事→★
私たちがお手伝いできることがあるとすれば、それまでに
環境大臣(=進次郎さん^^)宛か動物愛護管理室にメールで「要望」を
送ることだそうです。
もしもここまでお読みくださって、心動かされなおかつ少しメールを書くお時間のある
奇特な方がいらっしゃったらぜひ!
(ちょっと疲れて最後は投げやりになるusainu)
いやほんま、何が言いたいかというと、日本の生体販売は、世界に恥ずべき仕組みなんよ!
蛇口を締めることから始めないと悲劇はなくならないのよ!
あと、飼う(買う)側の意識改革、というのも欠かせないけど、まずは大元からね。
長々と失礼いたしました。
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